電動付睫毛

 「でんどうつけまつげ」と読む。ドラァグクィーン(以下DQ)のショーイベントである。キタのClub@Karma(カーマ)というところで定期的に開催されている。今まで何回か行き逃しているので、今回はナンとしてもいくつもりだ。ただ、間の悪いことに某デパートの店番が入ってしまった。もっとも、スタートが遅い時間なので問題はない。着替えて行けないが、DQのショーイベントに着替えて参加してもあまり意味無いだろう。
 例によって自転車でブラリと出向く。なんか酔っ払いの会社帰りの人たちが実に多い。新年会やら歓送迎会やらが目白押しな季節である。通行の邪魔で仕方がない!どうにかこうにか目的に着く。エレベータで降りる。すると、その出口が塞がれていた。エレベーターからは入れないようになっている。ワケがわからない・・・・・・。やむを得ず、その柵越しに中にいる人に尋ねる。
「どうやって入るんでしょうか・・・?」
「表に階段の出入り口があります。風船で飾っていますので、すぐにわかりますよ」
たしかにそのとおりだ。なんでこんな派手な入り口に気がつかなかったんだ?

 中に入ってブラブラ。まだショーが始まってすらいない。客も少ない。まだまだ踊りにくい。軽く飲んで時間をつぶす。次第に客も増えてくる・・・・・・が、なんか客層が違う。普通のクラブとはちょっと違う気がするし、またフェティッシュやSM系・ゴス系のサブカルイベントとも微妙に異なる。それにわりと年齢層が若い。学生が多いのか?ギャルやギャル男、ホスト風、B系などはほとんどいない。もちろん、私のようなスーツ姿もいやしない。そうこうしているうちにDQのショーが幕開けとなった。DQのショーを見るのは初めてではない。歌に合わせて口パクをしつつリズムに合わせて踊るのが一般的なスタイルだと思う。マジメなものもあれば、非常にコミカルなものもある。ゲストの「シモーヌ深雪」はかなり有名なDQだ。私も前から知っている。あちこちのイベントでも見かけることがあった。今回は久々にまともにショーを見ることができたが、やはり上手い。DQ最大の特徴である超ド派手メイクにきらびやかな衣裳、超高ヒールetc、すさまじい。ちなみにDQというのは基本的に(生物学的に)男性が演じる。「女性および女性文化を皮肉る」というコンセプトがある。そして知的かつ品性を求められるという。ちょっと気になってみたので、リンクなどを辿ってみたら、DQはゲイ方面とのつながりが強いみたいである。なるほど。ある種の住み分けなのだろうか?
「男性が女性を服を着る」ことを女装と人括りにしても、実は似て非なるものというわけだ。GIDはそもそも「女装行為」ではない。ニューハーフは「そのものが商品」である。DQは舞台に生きる存在であり、趣味女装は(フェティシズム的異性装だろうがナンだろうか)ライフスタイルの一環である。
 さて、ショーも一部二部ともにたっぷりと観させてもらった。ちょっとこりゃヤヴァイだろ?なんてものもあったし、話題のHIPHOPの女王?「奈良の引越しババァ」をからめたネタもあり、大爆笑した。結局3時を回ってしまったな。

 それにしたって、DQというのはステキなものである。