EXPLOSION!

 見るがいい、銀河の砕け散る様をッ!「ギャラクシアンエクスプロージョン!」
と、軽く書いてみたが、要するにまたブチ切れってやつです。職場のK先輩に大爆発しました。
かなり独善的になってますので、読み飛ばしてくださって結構です。

 とめどもない怒り。突き上げる衝動。尽きることの無い憤り。てめぇだよ、K。この日は来月の送別会の会場の下見へ行く予定でだった。そこにK先輩が「ついていってやろうか」と言ってきた。私は正直なところ全然気が進まなかったので低調に、いや丁重にお断りする。うわぁ、早速K先輩の表情が曇ってきやがった。またか。アンタとは行きたくないというのが本音である。すると別の人からたしなめが入る。折角の先輩の申し出を断らなくても、向こうは今回の送別会に協力するつもりなんだから、と。よく言う!私に任せるといったのはあいつだぞ。余計なことを・・・まぁいい。仕方ないので一緒に行くことにした。お願いに行ったら、ちょっとスネてやがった。なんじゃい、その面は。まったく面倒な先輩だな、このスネ吉兄さんは。ああああああ、渾身の一撃をくらわしてやりたい。
 2人でテクテクと下見へ向かう。私はあまり口を開かない。その道すがら、ささいなやり取りからすべてが始まった。
「何か手伝うで」
「でしたら、参加者名簿に加えておきたい人がいたら書き加えておいてください」
「全然(名簿なんて)教えてもらってへん」(このあたりでちょっとむかつく)
「聞いてくださいよ」

「それって後輩のキミから頼む事と違うか。筋が違うで」

(その通りかもしれませんね。でも、頭にきました。噛み付きました)
「・・・・・・・・・・・・・・そうですか、失礼しました」
「なんや、口だけで謝られても。なんか間違ったこと言うたか?」
「だから失礼しましたって言ってますやんか」
「なんやったら(皆に話のスジを確かめに)店に戻ろか?」

「・・・・・・・面倒な人ですね〜」
「あ〜もう、本当にわがままな野郎なんだから」
「いつもいつもひがんでばかりいやがって!!」「〇※∮∂�熙権¤�!!!!」
はい、大爆発。日頃の不満が湧き上がってくる。私の怒号が飛ぶ。
卑屈、僻み、妬み、我儘、矮小、嫉みetc、K先輩に対する無限大の批判と怒りが全身から沸き立つ感じがする。さすがに手はでないが、コイツを叩きのめしたいという(もはや)欲求はふつふつと感じている。手に持った傘で電信柱を叩きまくり、そこいらのモノを蹴る、殴る。絶叫しながら。
自分で言うのもなんだが、K先輩に対して物理的な力を加えていないのはギリギリで踏みとどまっているからだ。犬のようにほえまくり、喚き散らす。なんとも言えない、ほこりっぽい表情でこちらを見ている先輩。それを睨みつける私。

 とりあえず店に戻る事になった。アンタは自分では何もしないんだね。店に戻るが、主人も若主人も昼食に出ていたようだ。そこでK先輩が電話で呼び出す。
「ちょっと戻ってきて欲しいんですよ」
その冷静な態度にまた腹が立つ。
まさに「日本橋のど真ん中で憤怒を叫ぶ」
今にも飛び掛らんという感じだ。不思議と両腕に力は入っていない。ふふ、力みがなくなったかな?とちょっと喜ぶ。
そうこうしているうちに主人達が戻ってきた。私は怒りっぱなし。
「おまえの感情に歪んだツラを見てると心底殴り飛ばしたくなってくる!!」
「そのキタナイ面、見たくないワッ!!!」
いや、まじでアンタは顔をいがめるんだ。負の感情というか、不満、不足、僻んで妬んで・・・それがすぐに顔に出る。もっとも、私も人のことは言っていられないがな。

「いったいどうしたんや?」と仲裁の若主人。
「Akazaが僕と一緒に働きたくないというんです」

おいコラ待てや、私はそんなことを一言も言ってない。一言も口から発してはいない!(婉曲的な意味にしても、直接的には発言していない!)
そこでまた大爆発ですよ。机をドンと思い切り叩き、殴りかかりそうになりました。若主人が牽制にはいったので未遂でしたが・・・。こういうことをされるともう、めちゃくちゃに腹が立つ。

相変わらずスネまくった顔しやがって・・・。
「言いたいコト、ぜんぶ言ってもらいましょうや」
でた、そのセリフ、前にも聞きました! 
すると若主人が、
「おまえ・・・全部言ってしまうと、人間関係修復できへんぞ?!」
とK先輩をたしなめ。さすがにイイコト言いはりますわ。

なんだかんだで仲裁が進行していく。私は怒りの波に翻弄されている。本当にこの野郎は根暗で根に持つタイプで、しつこい。周りによく喋り捲るしな。いいよねぇ、皆に保護してもらってさ。
とりあえず私が謝ることに。遺憾ながら業界的な上下関係には逆らえない。もちろん若主人に逆らうことはできない。後輩が先輩に楯突いたのだから。

主人のところにも報告に行く。一応穏やかに諭される。世間や周辺のことを考えねば社会では生きてゆけない。一呼吸置いて考えること。小さなプライドなど捨ててしまえばいい。
「・・・・特に口はださん。ガキのケンカやのぉ」と。
後に引くことなくカラッとしていることを強く言い渡された。

ふん、まぁ・・・・・・・そういうことかもしれませんわな。恩義のある若主人のこともある。もはや怒るまいと思う私だが、不安ではあるのだ。そして若の一言を思い出す。自分が変われば人も変わる、か。