よく食べる

 全体的に調子は良い。拒食も病気も特にナシ。ただ、餌不足からちょっと痩せ気味の個体が目立つ。数が減ったほうが全体的な調子は向上する・・・当たり前か。

 野生の生き物、要するに自然の一部を切り取ってきたものである。一切、人間の息はかかってはいない。頑健さ・・・・・・適応力を発揮し、すぐに飼育環境に馴染むものもいれば、種類によっては死ぬまで餌を食べない者もいる。種類だけでなく、個体によっても異なるときがある。人間以上に個性がある。
「前の個体は何でも食べたのに、この個体はコレしか食べない」

偏食するのに、それでも自然の中では健全に生きていたのだから不思議。そうでなければとっくに食べられて、ペットショップに並ぶことはありえない。

 また、犬猫とは大きく違うところのひとつに、
「昨日までは元気だったのに」突然死する。
「昨日までは餌を食べていたのに」拒食始める。

昨日とは違う今日。つまり過去と現在ははっきり違うことをイヤというほど教えてくれる。常に進行形であり諸行無常である。

そしてそれらのネガティブポイントは常に暗い未来の暗示・・・つまり、そう遠くない未来の死を予感させる。飼育者に喪失や失望の恐怖を感じさせる。それに抗う手段を講じるが、悲しいかな、犬猫ほど病院関係は充実していない。それに、もともと野生の生き物ということで、ギリギリまで我慢していることが多い。発見時は既に手遅れということが多々ある。

野生のものである以上、人工的な飼育下において死因のほとんどは「飼育者」による。やれ太陽光線だの紫外線だの微量元素だの土だの・・・。生き物は基本的に我慢しているだけである。いかに要求を読み取り、応えるか。長生きさせる基本である。

 何故飼うのか? 自然(の一部)を意のままに飼いならすという・・・・・・自然に対する挑戦なのかもしれない。