Sさんを励ます会

ヨン様?

 生き物関係の知人であるS氏を励ますオフ会に誘ってもらった。ちょうど一ヶ月前にプチ新年会を開いたところだ。あの時はあまり喋れなかったので、またとない機会である。励ます会ということで、手土産として「BOUND DOG(バウンドドッグ)」を持っていく。これは3年程前にプライズとして出回った品で、小さいながら完全変形するという逸品である。ただでさえコレの模型はないのだから、貴重なものである。ある程度は気に入ってくれるに違いないと予想する。
 仕事を終えて早々に身支度を開始する。ただ、間の悪いことにモノモライだかメバチコだかを発症。片方の瞼が腫れてしまっている。これじゃアイメイクは無理だッ・・・ということで、サングラスをかけてごまかすことにした。仕事の帰り際にナカヌキヤで安いグラサンを購入してきた。片方の眼はバッチリメイクが決まっているが、もう片方は素であるという、かなりちぐはぐな仕上がりだ。かっこ悪いが止むをえんッ。集合が大阪北部の都市なのでクルマを飛ばす。
 さて、集合場所近くの駅に到着。少し周囲を回って駐車場を探す。やっぱり駅に近いところは埋まっているなぁ・・・仕方ない。ちょっと離れたところに駐車。とりあえず駅に向かうが、肝心の店の場所がわからない。電話して聞いてもわからない。見当違いの方向にばかり行ってしまい、迎えに来てもらうことにした。どうもこういうところで一人歩きというのは目立ってイカン。キタやミナミならまだしも、こういう周辺都市では私のような人種は珍しいはずなので自然と衆目を集めがちだ。正直、独りでは不安。心細く待っているとようやく迎えがきてくれた。
 店に入ると約一名がすでに出来上がっている様子。S氏は下戸なので至って冷静である。さっそくプレゼントを渡す。もらえるものはいただいておく、ということだが、ちょっとは気にいってもらえたようだ。特撮やら生き物やらの話に花が咲く。例によって全然わからないネタも多いが、気にしない。頃合を見計らって・・・というか、私が喋りたかったのだが生き物の「逝きネタ」を振ってみた。すると「(S氏の)うちの掲示板に書くな〜!」とか「ゾイドでも飼いなはれ」とか、厳しい意見をあれこれ頂戴した。私がいかに貴重な生き物をあっさりと死なせているか、あるいは骨身を削るカクゴと認識が不足しているという指摘も受けた。どちらにしても可哀相ということである。そりゃそうだ。餓死に脱水、低温などなど。普通ではない原因で死なせているからだ。生き物飼育においては激しく鬱状態である。殊に餌を食わないコトに対して著しく拒否反応がある。怖れがある。「なぜ食わない?だったら、死ね!」と。いろんな原因があるとおもう。病気になった時もいっそ殺してやろうかと思ったことなど数え切れない。発見時には既に手遅れ。治る希望などなく、日に日に死に向かっていく姿。喪失という文字が目の前をちらつく。その生き物が死ぬまでの間、悔やみ続けなければならない。・・・そういえば「死ぬのがイヤだから飼わない」なんてことを理由に飼育をしない人も多い。今となってはよくわかる。生き物が死ぬ、あるいはその過程により、自分の心の負のダイナミクスに堪え続けるのがとても辛いんだ。どちらにしても死んでしまえば生き返らない。永遠に失われるのだ。惜しいことをした・・・。
 別に目が覚めたわけではないけれど、もう少し飼育に対して向き合ってみるかと思った。昨年末から今までに多くの珍しい生き物を失った、その後悔と喪失感に直面するのは非常に辛いのだけれど・・・・・・。
 夜中の1時には店を出てカラオケに行くということだったが、私はそこで帰ることにした。体調もそれほど良くなく、また目も治りきってないので夜更かしは避けたいところだ。とっとと帰宅する。

 翌朝、強烈な胃もたれで目が覚める。うえぇ・・・全然消化できてない。夜中に焼き鳥を食べたのが堪えたようだ。久々に朝食を抜いた。